千葉県 アパートメンツ+アトリエ[共同住宅]

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IKAコンセプト1
 
IKAコンセプト2

5戸のワンルーム形式の部屋とアトリエ1室で構成される。
アパートを女性専用としたことより、セキュリティの向上を目的としてバルコニーは設置せず屋内洗濯干しスペースを設けた。バルコニーを設置することで、バルコニーに面した窓は雨戸によって塞がれてしまうことを多くのアパートがそれを記述し、その中での生活を想像した時、暗澹たる気持ちにさせたことが理由のひとつであり、また昨今のpm2.5などの影響に依るものか外干しを見る機会が少なく、それならばバルコニーを内部として取り込むことの優位性を援用することとした。
そうした内部バルコニーを含めたユニットをひとつの単位とし、敷地的要件にあわせて配列を展開していくことで増幅可能となり様々な敷地的要件に応えられる構成とするとともに、集積されたユニット群の上部にあらゆる斜線制限上優位となる寄棟形式の屋根を架けた。つまり量産性を目指していくことがここでの主目的である。
また占有面積23.18㎡という小さな一室であっても、鴨居が緩やかに「洗濯干し場」や「ベッド配置」などをレファレンスとして示しつつも、室内の間仕切り壁を設けることなく、自らが使い方を選び取れるような自由さを目指した。
 
アパートにアトリエを組み込むことで用途は(アパート単一の用途ではなく)複合化される。アトリエは「社会」に開くことを自身の目的としていることより、結果、本建築自体もまた「社会」に対して開くことへの表徴性を帯びることになる。小さな街の名も無い一角であってもこうした社会との接続性を目指す建築の存在によって街はささやかであっても賑やかさと親和性が生まれる。
 
アトリエの大きな窓越しに今日もまた保育園児の行進が連なる。すでに顔見知りなった園児の一群はそれが日課のひとつでもあるようにしてアトリエをのぞき込み小さな手をふり、穏やかな笑顔の交換が行われる。今日も、そして明日もまた。

IKA外観1
IKA外観2
IKAアパート1
IKAアパート2
IKAアパート3
IKAアトリエ